
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
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第二次大戦中における日本軍にとってのターニングポイントと言われたそれぞれの戦闘において、どのような思考がなされ、どのような判断が行われ、そして、その結果がどうなったのかが事細かに分析されています。
本書中でも述べられているように、単なる情報の分析と言うより、現在の組織論などの視点から分析されているのが新鮮でした。
第一章は実際の戦闘の様子に沿った状況説明の色が濃いですが、第二章、第三章では、それぞれの局面で大本営がどのような状況(組織構造、思考回路)にあって、それゆえ、どのような判断がなされたのかが分析されています。
現場と大本営の意識の乖離、過去の栄光にしがみついて主義を変えない硬直性、縦割り組織、温情人事がまかり通る実情、そういった悪癖が米軍と対比されているのも興味深いです。
こう言ったことが、風船爆弾(投資した割に効果皆無)、巨砲主義、失敗からの無学習などのさらなる状況の悪化を引き起こして行きます。
単に、過去の出来事を批判するのは簡単だと思いますが、このように、分かりやすい対比を行うとともに、現在の組織はどうなのか?と問題を提起している書き方に好感を持てました。
はてさて、うちの組織はどうなのかなー。
ここで指摘されている日本の組織の性質は、今にも引き継がれているように思う。考えてみれば、敗戦後は米国の軍事的な庇護を受けながら復興、成長を遂げた訳で、新たな文化が生まれるというよりは、日本的な物がアメリカナイズされただけなのかもしれない。その意味で、バブル崩壊、冷戦終結後の世界環境の中で、日本が戦前と同じような試練に立たされているのではないだろうか。

悪意を持って組織を運営する者はいない。むしろ、情によって理を曲げる事で、破綻へ突き進む。地獄への道は善意で舗装されているのだ。

22.12.06…23


19910810初版発行
20110615第43刷発行
中央公論新社
中公文庫
Amazon古書
20160808入手
¥762+税
19840500
『失敗の本質』
ダイヤモンド社

(p41)関東軍は満ソ国境紛争処理要綱を発令と同時に参謀総長に報告したが、中央部は正式に何の意思表示もせず、関東軍としては、作戦計画が当然容認されたものと考えた。





































