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レビュー
林望先生訳源氏物語の第9巻。早蕨、宿木、東屋を収録。中君が京の匂宮の邸に移る早蕨、巻名の由来は阿闍梨との和歌。匂宮は六の君と、薫は女二の宮とそれぞれ結婚する宿木。巻名の由来は薫が宇治の山荘で折り取り、和歌を詠んだ蔦の枝。匂宮の邸に難を逃れたはずの浮舟にとんだ災難が降りかかる東屋。巻名の由来は浮舟が逃れた先。真面目一筋のはずの薫が、匂宮と結婚してどうにもならなくなった中君に再三にわたってちょっかいを出し、中君が苦し紛れに浮舟のことを話す辺りは、空蝉を連想させる。しかし、浮舟のことを聞いた薫は、例によっておっとり構えていて、その辺りはやはり源氏とは違うのかもしれない。最後には、らしくない大胆な行動に出る薫。どうせなら自分の邸に連れてくれば良いのにと思うが、女二の宮を正妻にもらった世間体が許さないのだろう、やきもきさせる展開ではある。乳母と右近のがんばりでなんとか危機を脱する浮舟だが、何もしようとしない中君の性格は案外良くない。少なくとも私はあまり好きになれない。
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