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掏摸

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中村 文則

3.5
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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2009年12月読了
ううーむ・・・
前評判のように、「ぐいぐい引き込まれる」というよりは、むしろ真綿で首を絞められるようにじっとりと物語に絡め取られてしまうような小説でした。
ずっと真っ黒な空の下、土砂降りの雨の中でじっくりゆっくり事態が進んでいくような感じ。
まさに純文学だにゃ。
 
圧倒的な悪って、却ってリアリティがなくなってしまうんだな。
この小説の木崎のような悪よりも、米沢や、木崎の手下の小悪党たちのほうがずっとリアルな恐怖を感じた。
木崎が完全に人の心をなくしてるからかな。。
ある意味寓話みたいな。そんな印象を受けました。
 
人との出会いが運命になるのか、運命が出会う人を決めるのか。
きのう読了した『横道世之介』と2冊連続で
「人との出会い」「運命」ってものを考えてしまいました。
ベクトル全然ちがうけど。。。
 
まだ積読中の中村文則作品も早く読まなくては。

読書ステータス

読了 5人