
この本について
伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの、ひそやかな奇跡を描き尽した、切なく、愛おしい、宝物のような傑作長篇小説
みんなの評価
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2
1
レビュー

zooko012
2015年7月読了
チェスを巡る美しく愛らしい詩のような、精巧な工芸品のような小説である。開かない唇、チェス盤の下から出てこられない少年、屋上に閉じ込めれた象。小川洋子は象徴的表現が相変わらずとても上手い。読み心地もよい。でも、それを超える感銘を受けることは、世評のよい「博士の愛した数式」を含め、自分の場合ない(「数学」とか「チェス」とか一般に文学の題材になりにくいところに美を見いだし小説にしたことは画期的だが)。むしろ、小川洋子は、読書エッセイの方を好む。
読書ステータス
読書中
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