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ガリレオの苦悩 (文春文庫)

ガリレオの苦悩 (文春文庫)

東野 圭吾

3.6
99人が登録
9件のレビュー

この本について

「悪魔の手」を名乗る人物からの犯行予告。警視庁のみならず湯川学を名指しで挑発する犯人の意図とは? 大人気シリーズ待望の文庫化

みんなの評価

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レビュー

mak246
mak246
2011年12月読了
シリーズ従来のスタイルに戻って、奇怪な事件を湯川が解決していく短編集。
前作「容疑者Xの献身」の最後で生じた警察との距離感を引きずったまま、捜査への協力には否定的な態度で始まる『落下る』ではテレビドラマに合せて設定されたという内海薫が初登場してレギュラーに加わっていく。ただ、ドラマとは違って草薙も引き続きレギュラーの座を保ったままなので、湯川・草薙・内海の3人で事件を追いかけていくスタイルになっいるが、今までの組み合わせに女性特有の視点・発想が加わってて3人というバランスも決して悪くはない。。。

…しかし、ドラマの影響が色濃く残っているせいか、文章を読んでいても福山雅治と柴咲コウが直ぐにイメージさせてしまう。。。
それだけ、本シリーズとドラマのキャスティングとの相性が良かったんだろうが、湯川のキャラクター性が以前より若返ったりしてて作者が意図的に近付けていることもあるんじゃないだろうか。

内容的には、「容疑者Xの献身」以前の短編のように警察では解けない不可解な謎に湯川が立ち向かうのが基本フォーマットとなっているのだが、以前よりも物理的現象だけでなく人間性にも重点が置かれた流れとなっている。これも「容疑者Xの献身」からの流れ??
その流れの1つなのか、湯川自身に絡んだ事件が多いのも特徴的で、上述のように人間ドラマに趣を置かれたのはこの辺りにも起因してるのかと。。
ま、それ故にタイトルに『苦悩』と付いてるんだろうが…

とにかく、短編ということもあってライトな割には、物理的トリックと人間ドラマとか詰まっててなかなか面白い作品集だった。
で、単行本では同時に刊行された「聖女の救済」の文庫化はまだ??
しーた
しーた
2011年11月読了
内海薫は、なぜ登場しなければならなかったのか。
かおる
かおる
2011年11月読了
シリーズ通して安定した面白さ。
iria
iria
2011年12月読了
相変わらず読みやすいし面白い
m@i
m@i
2012年4月読了
湯川先生は安定しとるなぁ。
himemomo
himemomo
2012年12月読了
再読。ガリレオシリーズは初期の方が好き。
あおみ
あおみ
2013年5月読了
本書はガリレオシリーズの4作目である。構成は1作目「探偵ガリレオ」、2作目「予知夢」と同様に、5つの短編から成る。
しかし先の2作とは訳が違う。
本書は間違いなく、3作目である「容疑者xの献身」を継いでいる。
1話目の“落下る”において、湯川が事件の解決に気を傾けつつも、親友石神のことを引きずり「もう捜査には関わらない」と切り捨てる場面からは、好敵手を失った湯川の無念が伺える。
2話目の“操縦る”では恩師が殺人に手を染めるのだが、そんな最悪な手段をとらなくても自分たちを頼ってくれれば、と湯川は恩師に告げる。そこから、自分の力の無力さと犯罪心理の恐怖を湯川は思い知る。
しかし、科学を殺人、犯罪に使う輩はやはり許せない。5話目の“撹乱す”では、同じ科学者として心から軽蔑しこれまでの湯川からは少し想像し難い行動に出る。例えば、犯人への挑発だ。内海や草薙から口止めされていたにも関わらず、マスコミの取材をわざと受け犯人をおびき寄せる。この行動から、やはり彼の中には正義感が確固たるものとして存在しており、それがこれまでの湯川と変わらないことを証明している。

こうして前作との繋ぎを意識して読めば、本作は傑作ではあるのだが、いかんせん湯川の立ち直りと言うべきなのか、そうした人間の心に焦点を合わせているのでトリックや事件の複雑さは物足りなかった。したがって星は4つとする。

しかしこれ程までにシリーズを読み続けていて飽きない作品は珍しい。
松岡圭祐 著の「万能鑑定士」シリーズ以来である。
本作では内海薫という女性刑事が現れたが、これからの彼女の行動も楽しみだ。重ねて、湯川との関係も。

1.落下る(おちる):マンションの一階にいながら上階の者を落とす。→これは勘違いで一室で口論になり鍋で頭を殴り一階に降りたとき、殴られた女が自殺した、というもの。
2.操縦る(あやつる):離れで日本刀のような長い刃物に刺され、さらに離れを燃やされて死亡。→爆発による金属の変形を利用。
3.密室る(とじる):密室だった部屋の住人が離れた崖の下で死体で発見。→密室ではなくホログラムを使って鍵が閉まっているように見せかけた。
4.指標す(しめす):老人と犬が殺され家から金が奪われる事件が発生。犬の死体をダウジングで見つけた少女がいた。→その犯人が知人だと知り、死体がどこにあるか何となく勘付いていた。ダウジングについての真否は不明。
5.撹乱す(みだす):殺人事件をいつでも起こせるという「悪魔の手」の持ち主による湯川への挑戦。→特定の周波数の音を超指向性スピーカーによって、離れた所から特定の人物にだけ聞かせることで平衡感覚を奪う。

この中では2「操縦る」と5「撹乱す」が面白かった。特に「撹乱す」が。
有栖
有栖
2013年5月読了
湯川先生かっこいい〜!相変わらず面白い( ^ω^ )
bskt0609
bskt0609
2013年5月読了
ガリレオシリーズの短編。既にドラマで放送されているものもあったけど、どれも楽しめた。ただ、ドラマ同様前作よりも科学的なトリックが少ないように感じた。
ただ、短い中で一つの話を完結させるというまとめ方はすごいと思う。無駄のない作品。

読書ステータス

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