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流れ星が消えないうちに (新潮文庫 は 43-1)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫 は 43-1)

橋本 紡

3.3
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2件のレビュー

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レビュー

まい
まい
2011年7月読了
人間ってさ、誰かに頼らないと生きられないんだよな。だけど、一人で生きてられるようにならなきゃいけないとも思ってる。でないと、結局、ただもたれ合うだけになっちまうだろう。それじゃだめなんだ。ちゃんとひとりで立てる人間同士が、それを分かった上でもたれあうからこそ、意味が生まれるんだ。
不幸なんていくらでもある。けれど、ありふれているからと言って、平気でやりすごせるかといえば、そんなわけはないのだ。じたばたする。泣もする。喚きもする。それでもいつか、やがて、ゆっくりと、わたしたちは現実を受け入れていく。そしてそこを土台として、次の何かを探す。探すという行為自体が、希望になる。
とにかく、終わりがくるそのときまで、わたしたちは生きて行くしかないのだ。
なぜ、ひとは、なくなったひとのことを星になったというのだろう。
星は変わらない。四季おりおり配置を変え、東から西へ流れてはいても、また夜が訪れ、季節がめぐり、星は変わらずそこに光っている。なくなった人も同じ。
今とあの頃が少しずつ離れていくのは、悲しいことなのか、それっも幸せな事なのか。
橋本さんはずっと「歩き出す瞬間」を描きつづけている作家。それは、終わりと始まり、喪失と再生を描くこと。生きること。は、知らなかった事を知る事でもある。いまを、どう受け入れて、自分自身のいまの一歩をどう踏み出していくのか。
歩き出す瞬間とは、生きる事を肯定する瞬間でもある。
空を見上げるのは祈りだ。
傷つき、苦しんできたひとたち、永遠を生きることがかなわないからこそ、愛おしい生を生きるひとたちが捧げる、歩きだすための祈りだ。
きんだいち
きんだいち
2012年2月読了
加地くんかっこいい。

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