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李欧 (講談社文庫)

李欧 (講談社文庫)

高村 薫

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2件のレビュー

この本について

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李欧。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。

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レビュー

こまきよ
こまきよ
2013年6月読了
このミスベスト10 1993年版10位の「わが手に拳銃を」を文庫化するにあたり、大幅に加筆修正されタイトルまで変わっちゃったやつ。文庫でないと読みにくいのでこっちにしました。この人の病的なまでに丁寧でリアルな描写が今まで合わなかったんだけど、この本は少し理解できたかも。それでもやっぱりテーマとか物語の展開のリアリティのなさに描写との違和感を感じてしまう。人気作家でありこのミス常連だし、知り合いでも今まで読んだ中で「マークスの山」が一推しという人もいるし、天一のラーメン見たいに麻薬的な魅力はありのかも。表現の深さが違うのかも知れないけど、同じような暴力や同性愛などの倒錯的世界の描写は、ボクには花村萬月の方が美しく感じてしまいます。読んでるときに、この作者の顔や話しかたが浮かんできてしまうのがマイナスになってるのかも。

読書ステータス

読了 14人