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人形つかい (ハヤカワ文庫SF)

人形つかい (ハヤカワ文庫SF)

ロバート・A. ハインライン

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レビュー

机龍之介
机龍之介
2011年8月読了
「ぼくはといえば-そんなことはわからなかったし、どうでもよかった。ナメクジに対する関心は、ただそいつらを皆殺しにしてやりたいということだけだった」

 なぜかラノベ風装丁になってる名作。内容に似つかわしくない。ナメクジ型宇宙人が人間に張り付いて、人間をあやつり、地球征服を進めていくというシンプルなお話。ナメクジの占領地域の広がり方が病気の感染が広がっていくようなっています。執筆当時の社会問題だったポリオとかを意識しているということです。ナメクジを使ったアウトブレイク小説というわけです。
 病気をナメクジという形に置き換えて人類は戦争を仕掛けるが、病原菌に病原菌をぶつけて、駆逐して挙げ句の果てに病原菌の故郷まで襲撃して根絶やしにすることをはかる。人類の攻撃性の業の深さを書いているし、登場人物達にも人類の凶悪さを思い知らせてやると口にさせている。恐るべきは人間というわけですよ。
 ハインラインは人間はどんな窮地に立たされても持ち前の攻撃性であらゆる苦難を打破するはずだと信じて疑わなかったのだろう。その意味では非常に彼らしい楽観的で、ストレートな冒険SFの良作に仕上がっている。

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