
ポーの一族 ~春の夢~ (フラワーコミックススペシャル)
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1人が登録
3,248回参照
2017年7月17日に更新
書籍情報
- 著者:
- 萩尾 望都
- ページ数:
-
192ページ
- 参照数:
- 3,248回
- 登録日:
- 2017/07/17
- 更新日:
- 2017/07/17
- 所有者:
-
zooko012さん
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📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)
レビュー:
読み始めたとたん目眩がした。その豊穣としかいいようのない世界に。
「残酷な」以降の固い太い絵柄になり、繊細さは失われているけれど、ここに繰り広げるているのは、まぎれもない「ポー」の世界。ナチスの足音が聞こえる第二次世界大戦を背景に、これに振り回される人達に、類族やポーの一族の起源の物語を織り交ぜて、その世界は前書より骨太に遥かに物語性の深いものに。そして、本編の副題の「春の夢」。辛く冬の時代に、幸せだった過去そして未来の「春の夢」をみる。でも、振り返って見ると、その冬の時代こそ「春の夢」であったことを思い至る切なさ。しかし、それは、辛いことを含めての人の日々の営み、人生に対する賛歌でもある。
単なる「続編」以上、傑作だった前編より更に素晴らしい続編になっており、心底驚かれた。まぎれもなく萩尾望都は天才であるが、他の同年齢の作家が表現のレースから降りる中、貪欲に進化し続ける萩尾望都の漫画に対する熱に心からの敬意を表したい。
「残酷な」以降の固い太い絵柄になり、繊細さは失われているけれど、ここに繰り広げるているのは、まぎれもない「ポー」の世界。ナチスの足音が聞こえる第二次世界大戦を背景に、これに振り回される人達に、類族やポーの一族の起源の物語を織り交ぜて、その世界は前書より骨太に遥かに物語性の深いものに。そして、本編の副題の「春の夢」。辛く冬の時代に、幸せだった過去そして未来の「春の夢」をみる。でも、振り返って見ると、その冬の時代こそ「春の夢」であったことを思い至る切なさ。しかし、それは、辛いことを含めての人の日々の営み、人生に対する賛歌でもある。
単なる「続編」以上、傑作だった前編より更に素晴らしい続編になっており、心底驚かれた。まぎれもなく萩尾望都は天才であるが、他の同年齢の作家が表現のレースから降りる中、貪欲に進化し続ける萩尾望都の漫画に対する熱に心からの敬意を表したい。
読書履歴
2017/07/17
192ページ
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