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冬の喝采(上) (講談社文庫)

冬の喝采(上) (講談社文庫)

この本の所有者

3人が登録
47,118回参照
2012年9月17日に更新

書籍情報

ページ数:
416ページ
参照数:
47,118回
登録日:
2012/09/17
更新日:
2012/09/17
所有者:
zooko012 zooko012さん

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📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)

レビュー:
大変に面白い。一気読み。経済小説作家で元実業家の黒木亮の自伝的スポーツノンフィクションである。
黒木は、早稲田大学時代、3区と8区を走った箱根駅伝の選手であった。高校時代怪我で休部を余儀なくされつつも、陸上が忘れられず、黙々とトレーニングを重ね、2年生で早稲田の陸走部の門を叩き、箱根駅伝の選手に。同期はあの瀬古である。出生の秘密もあって・・・。
当時の自分のラン日記や資料を駆使した押さえた筆致の当時の描写には臨場感があり、別の分野での成功者でありながら、「もう一度人生をやり直せるなら陸上を一からやり直したい」との最後の言葉に、陸上が黒木の人生に与えた重みを感じる。
それにしても、印象に残るのが、奇人として名高かった、早稲田の中村監督。短距離選手も箱根駅伝のために無理矢理長距離選手に変えて片端から潰す。足を凄い勢いで踏みならして選手を怒鳴りつけていたら踏みならした足が骨折。選手は監督が命令したら土も食えといい、自身が土を食べてみせる・・・。実際に接する方がたまらなかっただろうが、とくにかく、生き生きとこの本の中で(主人公よりも)輝いている。

読書履歴

2012/09/17 416ページ

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当時の自分のラン日記や資料を駆使した押さえた筆致の当時の描写には臨場感があり、別の分野での成功者でありながら、「もう一度人生をやり直せるなら陸上を一からやり直したい」との最後の言葉に、陸上が黒木の人生に与えた重みを感じる。
それにしても、印象に残るのが、奇人として名高かった、早稲田の中村監督。短距離選手も箱根駅伝のために無理矢理長距離選手に変えて片端から潰す。足を凄い勢いで踏みならして選手を怒鳴りつけていたら踏みならした足が骨折。選手は監督が命令したら土も食えといい、自身が土を食べてみせる・・・。実際に接する方がたまらなかっただろうが、とくにかく、生き生きとこの本の中で(主人公よりも)輝いている。

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