メニュー
巡礼

巡礼

この本の所有者

(5.0)
1人が登録
142回参照
2010年10月3日に更新

書籍情報

ページ数:
233ページ
参照数:
142回
登録日:
2009/11/24
更新日:
2010/10/03

この本を共有する

内容紹介

いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人たちの非難の目にさらされる老いた男。戦時下に少年時代をすごし、敗戦後、豊かさに向けてひた走る日本を、ただ生真面目に生きてきた男は、いつ、なぜ、家族も道も、失ったのか―。その孤独な魂を鎮魂の光のなかに描きだす圧倒的長篇。
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
Google Booksで見る

📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
5/5
レビュー:
ゴミ屋敷に住む老人がたどってきた人生を描いた小説。
彼はなぜゴミに埋もれて暮らしているのか。
彼は何のためにゴミを拾い続けるのか。
戦後の高度成長期で急激に変わっていく町の中で、変わることができなかった悲しみと、変わらずにそこにあったもの。
華やかな時代の片隅にうもれて忘れられた悲しみの人生。
 
橋本治は初めて読んだのですが、さすがだなと思いました。
文章が文章でなく、映像としてすんなり頭の中に入ってくるんですよね。
最終章は泣きながら読みました。
 
ゴミ屋敷に住み、ゴミを拾い続け、近所の住人から鼻つまみ者にされても
「これはゴミじゃねぇ」と言い張る忠市。
忠市は、そこに打ち捨てられたゴミを自分と重ねていたんだな。
一生無くならないもの
自分の手元から消えていかないものを求めていたんだな。
自分の目に映るすべてに意味を見出して、だから自分の人生も無意味ではなかったと思いたかった。
 
「生きる」ってどういうことなのかと考えていました。
だれにも必要とされないもの、無意味だと決めつけられたものは、
たとえそれがその人の生きた証であったとしても、ゴミでしかないのか。
どんなものにも物語はあるのに。
 
忠市はだれかに必要とされたかったんだな…
それが行間からびしびしと伝わってきて、こたえました。
人を必要とし、必要とされる。
当たり前にみんなそうして生きているのに、
ただそれだけなのに、
どうしてうまくいかないんだろう。
 
生きるとはとてもむずかしい。

読書履歴

2010/10/03 233ページ

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「巡礼」の書誌情報と、 この本を読んだ人の本棚から、 近そうな本を10冊見つけました

56.2%
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上 春樹

良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは...。

95人 3.4
55.8%
告白

告白

町田 康

人はなぜ人を殺すのか。河内音頭のスタンダードナンバー“河内十人斬り”をモチーフに、町田康が永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。

10人 4
53.8%
仮想儀礼〈上〉

仮想儀礼〈上〉

篠田 節子

信者が三十人いれば、食っていける。五百人いれば、ベンツに乗れる―作家になる夢破れ家族と職を失った正彦と、不倫の果てに相手に去られホームレス同然となった矢口は、9・11で、実業の象徴、ワールドトレードセ...

2人 4.5
53.7%
仮想儀礼〈下〉

仮想儀礼〈下〉

篠田 節子

スキャンダルの末、教団は財産を失う。しかし、残った信者たちの抱える心の傷は、ビジネスの範疇をはるかに超えていた。家族から無視され続けた主婦、ホテルで飼われていた少女、実の父と兄から性的虐待を受ける女性...

2人 4.5
51.6%
白線流し

白線流し

信本 敬子

1人
ぼんぼん
ぼんぼん Lv.66

ゴミ屋敷に住む老人がたどってきた人生を描いた小説。
彼はなぜゴミに埋もれて暮らしているのか。
彼は何のためにゴミを拾い続けるのか。
戦後の高度成長期で急激に変わっていく町の中で、変わることができなかった悲しみと、変わらずにそこにあったもの。
華やかな時代の片隅にうもれて忘れられた悲しみの人生。
 
橋本治は初めて読んだのですが、さすがだなと思いました。
文章が文章でなく、映像としてすんなり頭の中に入ってくるんですよね。
最終章は泣きながら読みました。
 
ゴミ屋敷に住み、ゴミを拾い続け、近所の住人から鼻つまみ者にされても
「これはゴミじゃねぇ」と言い張る忠市。
忠市は、そこに打ち捨てられたゴミを自分と重ねていたんだな。
一生無くならないもの
自分の手元から消えていかないものを求めていたんだな。
自分の目に映るすべてに意味を見出して、だから自分の人生も無意味ではなかったと思いたかった。
 
「生きる」ってどういうことなのかと考えていました。
だれにも必要とされないもの、無意味だと決めつけられたものは、
たとえそれがその人の生きた証であったとしても、ゴミでしかないのか。
どんなものにも物語はあるのに。
 
忠市はだれかに必要とされたかったんだな…
それが行間からびしびしと伝わってきて、こたえました。
人を必要とし、必要とされる。
当たり前にみんなそうして生きているのに、
ただそれだけなのに、
どうしてうまくいかないんだろう。
 
生きるとはとてもむずかしい。

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します