謹訳源氏物語: 蛍, 常夏, 篝火, 野分, 行幸, 藤袴, 真木柱, 梅枝, 藤裏葉
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赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹
“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万...
林望先生訳源氏物語の第5巻。蛍、常夏、篝火、野分、行幸、藤袴、真木柱、梅枝、藤裏葉を収録。前半は玉鬘を中心に展開していく。源氏が兵部卿宮の前で玉鬘を蛍で演出してみせる蛍。そんな玉鬘と、内大臣が引き取った近江の君とを対象的に描く常夏。源氏と玉鬘との関係を記した篝火。玉鬘に内大臣の姿を見せた後、内大臣に真実?を打ち明ける行幸。兄弟ではないと知った夕霧が玉鬘に言い寄って断られる藤袴。そして、驚愕の出来事、真木柱である。これは現代で言えば明らかに犯罪だが、あとの方で朱雀院が女三宮を心配する際にも挙げているので、当時としてはよくあったことなのかもしれない。この辺り、読者の予想を裏切る紫式部の物語展開のうまさなのかもしれない。リンボウ先生の訳は親切で、昨日読んだところも忘れてしまう私としては大変ありがたい。野分は夕霧を案内人とした華やかな六条院の案内で、いわば読者サービスか。梅枝で様々な薫香が出てくるのだが、中には現代でも手に入るものもあり、興味が湧いた。藤裏葉では夕霧が積年の思いを遂げるのだが、後の展開を考えると、幼い頃の思いに引きずられなくてもと思ってしまう。ここら辺りも、紫式部の布石というところか。