
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
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2部作ってこともあるけど、まだ起承。次に期待。

これまでの村上春樹のこれ全編オマージュといった感じ。
・妻との関係(「ねじまき鳥))
・妊娠の扱い(「1Q84」)
・セックス描写(「国境の東」「ノルウェイの森」)
・日常への回帰(「蜂蜜パイ」)
・この世のに実存するとは思えない少女と現実にはあり得ない中年男性との親友同志的関係(「ねじまき鳥」「ダンスダンスダンス」)
・留守番する家(「レキシントン」)
・免色のような何かが欠落した不器用な天才(「ダンスダンスダンス」「トニー滝谷」「独立機関」)
・井戸(穴)から異世界(森)への綺譚的要素(「ねじまき鳥」「カフカ」「世界の終わり」)
・歴史への言及(「ねじまき鳥」)
・象徴的道化?(「1Q84」のリトルピープル、羊)
・回収され得ない伏線、解決され得ない謎(「ねじまき鳥」「1Q84」)
結局、女性関係にも苦労せず何だかもてて、少女にも好まれ、天才にも敬意を払われ、結局のところ才能のある、特別な男性が異次元を体験し、現実世界に戻ってくる、という今までと同じ物語。
ここに何か新しいものがあるのか?と問われれば、ない、としか言いようがない。また、相変わらずの村上春樹臭にうんざり(健全な感覚である)というのも分かる。
とはいえ。とはいえ。そのへんの凡百ある小説より遥かに面白い。また、世紀の駄作「多崎つくる」にはないが、「騎士団長殺し」には。村上春樹が描こうとしている何か、描こうと努力している村上春樹の作家としての誠実性のようなものは、確かにはある。それが今までと同じものであったとしても、また、その表現が鮮烈なものでなかったとしても、スケールが小さくなっているとしても、評価したい。また、まだうまく言葉にできないが、着地点が今までの村上春樹の小説とは若干違う気もする。
結局のところ、この小説が好きか嫌いかと問われれば、私はこの小説が好きであり、色々言いたくなるが、断固として支持することとする。
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