
内容紹介
私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!

読書履歴
2017/03/27
507ページ

zooko012
Lv.229
ピアノコンクールの予選~本選の模様を描く中で、4人のコンクール挑戦者の奏でる音楽とコンクールで新たに見出した音楽との関わりをただただ丁寧に書いている小説である。それなのに、それなのに、豊かな読後感でとても面白いのだ。演劇について書いたチョコレートコスモス(エンタメ小説の中では断トツで気に入っている。続編を何年も待ちわびている)でもそうであったように、まさに、彼らが奏でているピアノを聞いているように錯覚し、また、その曲に対する興味がわいてくる。しかし、恩田陸の他の小説がそうであるように、「**はいつの日かこの瞬間を思い出すであろうとふと感じた」的フレーズがここでも多用されている。これを書かないと収まらないのであろうか。なお、自分は恩田陸のエッセイによりペトルチアーニのピアノの魅力を知り、とても感謝しているのであるが、元来、ピアノや音楽が好きな人なのだと思う。
【追記】直木賞受賞とのこと!この本がどうかはともかくとして、絶対直木賞をとらなければならない人だったと思うので(アイディア力が驚異的)、よかったと思う。

TIM
Lv.191
yuchan
Lv.143
3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。風間塵、栄伝亜夜、マサル、高島明石らを中心に第一次、二次、三次、本選と進むにつれページを読む手が止まらなかった。ピアノも弾けず、クラッシックもあまり知らないがどきどき、わくわく。特に塵と亜夜が一緒に練習するところの描写がわたしも夜空の月が見えてきて飛んでいく感じがした。最初にそれぞれが弾く曲が載っているので探して聴いてみたいと思った。題名から塵が主人公だと思ったのだがあまり書かれていなかったところが残念。

Pongiorno
Lv.168