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首折り男のための協奏曲

首折り男のための協奏曲

伊坂 幸太郎

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(3.8)
18人が登録
137回参照
2014年7月16日に更新

書籍情報

ページ数:
315ページ
参照数:
137回
登録日:
2014/07/16
更新日:
2014/07/16

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内容紹介

「首折り男」に度肝を抜かれ、「初恋」に惑って「怪談」に震え、「昆虫」は覗き見され、「合コン」では泣き笑い。「悪意」が黒澤を襲い、父は子のため「復讐者」となる―全7編、胸元えぐる豪速球から消える魔球まで出し惜しみなく投じられた「ネタ」のアンサンブル!
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読書履歴

2014/07/16 315ページ

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伊坂幸太郎氏の小説によく登場する探偵兼泥棒「黒澤」が登場。
「首折り男」と呼ばれる殺人鬼の話から、他の短編に派生していく。
昔、映画好きの先輩から「エンゼル・アイ」という撮影方法の話を聞いたことがある。
空から舞い降りる羽根をカメラが追い続け、その先に映った人物に視点を移す。
その人物が交差した人物に次々と視点を移しつつ、最終的に主人公を捉えると言った手法と聞いた。
今回、この作品を読んでその話を思い出した。
ひとつの短編を読み終わると、その短編からある一部分が繋がっている。

冒頭の短編では、ある映画の台詞から「大人になっても辛いことがある?」という台詞が引用されている。
この映画は好きだったから、ニヤニヤしながら読んでた。
まだ頭が整理されていないけど、読み返したらまた味わいがありそうな本であった。

あおみ
あおみ Lv.78

本作には7つの短編小説が載っている。
それぞれの物語は交わっているのか、そうでないのか、どこかで見たという既視感はあるがはっきりとは思い出せないような何だが奇妙な繋がりを呈している。ある芸術品をまえにして、その形は途轍もなく歪なのにどこかに魅力を感じ、しかしその理由が自分自身にも検討がつかないような奇妙さである。
物語それぞれに個性があり、主題がある。
恋愛であったり、社会的問題であったり、恐怖であったり、日常であったり、立ち向かう勇気であったり。
このように、これらの物語は一見してどういった関連性を持つのか判然としない雑多な主題を取り上げているが、私は一貫している点が一つだけあると感じた。そして同時にその一点に大きな安心感を覚えた。
それは「神様は存在している」ということである。
先に断っておくが私は宗教信者ではない。これまで神に感謝したことも、熱烈に頼ったこともない。従って、神は私たちを導いてくれるといった風な、信仰的な安らぎを感じたのではない。
私が感じたのは、多大なる力をもった人間に対しても天罰が下るということに対する安心感である。
明晰な頭脳、金銭、人脈、これらを持ち合わせた人間に対して立ち向かえる人間はそう多くない。そしてこうした益に富んだ人間は得てして性格や考え方が捻くれている。世界は我が物と言わんばかりに毎日を過ごしている。
所謂、庶民的国民はこうした卑しい人間に対してどうにかして痛い目を見させたいが、どうも敵わない。そうした時に、神様がしっぺをする。怪我や人生の終わりというような大きなものでなくても、人前で辱めを受けたり、隠し通した秘密が知られたりという小さなことで構わない。
「あぁ、神様も苛立ちを感じたんだな」という安心感が庶民の心を満たすのだ。
そして、重要なのは神様は気まぐれであるということだ。
いつも神様が我々を見ていると思っていては、それは窮屈で、それこそ宗教信仰に紛いない。
神様が何かのついでに、もしくは気まぐれに、人間世界を覗いた際にお痛を咎めたのだ、という認識程度が丁度良い。

何でもないこの考え方一つが私たちの日常を安らいだものへと導いてくれる。
苛立ちを行動に直結させるのではなく、「神様、いまのあいつの行動見てました?見てなかったら仕方がないですけど。」というように神様に愚痴をこぼすぐらいの余裕をもった人間になりたい。
伊坂氏の作品はいつも、面白かったかどうかに対する評価だけでなく、読者の人生観を変化させる。そしてその変化の多くは安らぎの方向を向いている。
直接的なメッセージはないにも関わらず、不思議と「明日からも頑張ってみるか」と元気が湧いてくる気がする。だから好きだ。

TIM
TIM Lv.191

m@i
m@i Lv.125

さすが伊坂幸太郎!キレイにまとめましたな!!
神も仏もありゃしない、と、世界のバランスのお話。

schazzie
schazzie Lv.108

短編集として作られたわけではなく、どこかに書かれた短い文章をまとめた本。売れっ子作家ゆえの作りか。殺人にいじめに空き巣に合コン…個人的にはどれも読みたい話ではなく、読んでいて気持ちが暗くなった。

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