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乳と卵(らん) (文春文庫)

乳と卵(らん) (文春文庫)

川上 未映子

この本の所有者

24人が登録
175回参照
2015年1月3日に更新

書籍情報

ページ数:
133ページ
参照数:
175回
登録日:
2013/09/22
更新日:
2015/01/03

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内容紹介

娘の緑子を連れて大阪から上京した姉の巻子は、豊胸手術に取り憑かれている。2人を東京に迎えた狂おしい3日間。芥川賞受賞作
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📝 レビュー (とくこさんのレビュー)

評価:
2/5
レビュー:
目、乳、精子と卵子、母と子。
二つのものがはち切れそうに腫れ上がって、今にも破裂しそうで、ぴんと張り詰めていて、張り詰めていて、破裂する。

破裂した先に流れるのが、厭な場所じゃなくてよかった。

もうひとつの「あなたたちの恋愛は瀕死」は、とても厭な場所を抉って引き摺り出す。
もうやめて、と思った。痛い痛い。
乳と卵は思春期の張り詰めた感じにスポットが当たってたからその繊細さに緩和されてたけど、こちらはもろに「女」だからだめだ。
川上未映子の女を暴きだす感じ。痛い。

読書履歴

2015/01/03 133ページ
2015/01/03 111ページ 大人になってしまった今では、もう誰にも相談せずに、ささいな顔色を見ずに、所持金と時間と自分の気分の関係のなかだけで必要ならものを選びとり、好きな場所へ行くことができてしまうこと。
2014/12/30 52ページ 肌色の分量がとても多く、この裸の現場においては、普段ならかなりの割り合いで識別の重みを持つ顔、という部位がとんとうすれ、ここでは体自体が歩き、体自体がしゃべり、体自体が意思をもち、ひとつひとつの動作の中央には体しかないように見えてくるのやった。
2014/11/02 46ページ それがゆううつで、なんでかものすごく暗い。でもその暗さは厭、気分が厭、厭厭が目にどんどんたまっていって、目をあけていたくない。あけていたくない、から、あけてられない、になりそうでこわい。目がすごいくるしい。 緑子
2014/11/02 45ページ あたしの手は動く、足も動く、動かしかたなんかわかってないのに、色々なところが動かせることは不思議。あたしはいつのまにか知らんまにあたしの体のなかにあって、その体があたしの知らんところでどんどんどんどん変わっていく。こんな変わっていくことをどうでもいいことやと思いたい、大人になるのは厭なこと、それでも気分が暗くなる。どんどんどんどん変わっていく。過ぎていく。
2014/11/01 14ページ 単語と音の響きだけがくるくるとして、次第に巻子としゃべっているのだという実感も失われてゆく様子であって難儀した。

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