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📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)
評価:
5/5
レビュー:
これはすごい!!!町田康ホントにすごい。
今のところ今年のベスト。
文句なく面白い小説なのだけれど、反面怖い小説でもありました。
10人もの村人を殺戮するにいたる一人の男の心の過程を描いているのだけれど、「お前はどうよ?お前の本音はどこにある?」ってずっと問い詰められているような気がした。
絶望が人の命を軽くするんだなぁ。。
弥五郎の妹が、兄・弥五郎のことを「世界中に見方がいなくなっても、最後に兄だけは信じられるような気がした」という風に評していた場面があったけれど、弥五郎にとってそれは熊太郎だった。でも熊太郎は最後まで人をそんな風に信じきる事ができなかった。裏切られて裏切られて、大切なものまで失くして、そして絶望しか残らなかった。
熊太郎のように、ある意味自分に正直に向き合いすぎて、自分にもこの世の誰にも心を開けなくなるのはとてもつらい。
普通の人はみんなそんな覚悟が自分に無い事を知っているから、ほどほどに鈍感に生きて、時には自分の本音すら見て見ぬ振りをして、なるべく鈍感に鈍感に本能の赴くままに楽な方へ生きて、それがまた誰かを傷つける。それもまた悲しい。
この小説の中で描かれているたくさんの悲しみは、滑稽さと紙一重。
まさに人間そのものだな。。。考えさせられました。
今のところ今年のベスト。
文句なく面白い小説なのだけれど、反面怖い小説でもありました。
10人もの村人を殺戮するにいたる一人の男の心の過程を描いているのだけれど、「お前はどうよ?お前の本音はどこにある?」ってずっと問い詰められているような気がした。
絶望が人の命を軽くするんだなぁ。。
弥五郎の妹が、兄・弥五郎のことを「世界中に見方がいなくなっても、最後に兄だけは信じられるような気がした」という風に評していた場面があったけれど、弥五郎にとってそれは熊太郎だった。でも熊太郎は最後まで人をそんな風に信じきる事ができなかった。裏切られて裏切られて、大切なものまで失くして、そして絶望しか残らなかった。
熊太郎のように、ある意味自分に正直に向き合いすぎて、自分にもこの世の誰にも心を開けなくなるのはとてもつらい。
普通の人はみんなそんな覚悟が自分に無い事を知っているから、ほどほどに鈍感に生きて、時には自分の本音すら見て見ぬ振りをして、なるべく鈍感に鈍感に本能の赴くままに楽な方へ生きて、それがまた誰かを傷つける。それもまた悲しい。
この小説の中で描かれているたくさんの悲しみは、滑稽さと紙一重。
まさに人間そのものだな。。。考えさせられました。
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