みんなの評価
4
5
4
3
2
1
レビュー
自転車ロードレースを題材にした短編集。チームメイトだった選手の死と北の地獄と呼ばれるレース、パリ・ルーベを通して目的は生き延びることだとする「老ビプネンの腹の中」。スプリントに強い伊庭の目線からスピードへの恐怖を描く「スピードの果て」。団体競技であり、チームでの協力が求められる自転車ロードレースのチームの中での葛藤を赤城の視点から描く「プロトンの中の孤独」。苦い題材を爽やかに描いてみせるところが好きだ。同じく赤城の視点から実力的な面ばかりでなく精神的にもエースになっていく石尾を描く「レミング」。やはり赤城から石尾を描く「ゴールよりももっと遠く」。最後にプロトンの中の孤独でのエピソードが顔を見せるところがとても気に入った。トウラーダ(闘牛)を見て具合が悪くなった誓にはなんだか親近感を感じる。「トウラーダ」の主題はドーピング。
この本を読んでいる人(1人)
読書ステータス
読了
1人