みんなの評価
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レビュー

天羽藩の若者、藤士郎の活躍を描くシリーズの3冊目。江戸から天羽に戻ってからの展開を描く。現代の我々から見ると、武士自体無駄の多い存在であるし、無事を捨てることに対する気持ち云々もよく理解できないが、そうなった場合に女性の方が適応力が高いと言うのは、なんとなく首肯できる気がする。これまでの時代劇で藩政改革と言うと、それが若者であれ年配者であれ、改革を行おうとする主体の活躍と最終的にはその藩政改革がなされるのかどうかが焦点になるが、本作は主人公がまだ元服前の若者ということもあり、活躍はするものの、改革の中心になることはなく、むしろその周辺に生きる人々が描かれており、新鮮な感じがする。藤士郎とは腹違いの柘植と藤士郎との対比が描かれるが、藤士郎に影響を受ける柘植には、若干の違和感を覚えた。これで完結なんですかね。
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