みんなの評価
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レビュー
「弥勒の月」シリーズの第3巻。楓葉の客、海石榴の道、宵に咲く花、木煉柿の4話が収録されている。楓葉の客は遠野屋に賊が押し入る話。殺された男が持っていた文から遠野屋の女中頭おみつにつながり、一方遠野屋にはお絹と名乗る万引きが現れる。しかし、遠野屋に押し込もうなどと、不運な盗賊だ。海石榴の道は、遠野屋と一緒に新しい商いを始めようとした三郷屋が女殺しの嫌疑をかけられる話。意外な結末だが、遠野屋の「吉治さんには人を殺すことはできない」と言う言葉には、なにやら説得力がある。宵に咲く花は夕顔のこと。伊佐治親分の息子の嫁おけいは夕顔が怖いと言うところから昔の事件が炙り出される。木煉柿は、遠野屋の娘おこまが拐かされる話。柄にもなくオロオロする遠野屋。読んでいるこちらも心配になってくる。
この本を読んでいる人(2人)
読書ステータス
読了
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