レビュー

zooko012
2012年2月読了
昔から「島」に惹かれてならないが、「BRUTUS」の離島特集で「島心」に火がつき、手に取った。本書は日本各地の島で暮らす人たちから寄せられた文を1日1作文形式で紹介したもの。島の日常生活、行事、帰省その他の悲喜こもごもが、幼児から老人までの気取りのない文体で、生き生きと、描かれる。共通するのは、島に対する愛情、誇りであり、島を承継する子どもたちへの暖かい眼差しである。ところどころ目頭が熱くなった。「離島センター」刊であるため、島の歴史等のコラムや注が充実しているところが非常によいが、地図がないのは残念。なお、本書は1997年出版であるが、「人の思い」を描いたものであるので、古さは全く感じない。