レビュー

zooko012
2011年5月読了
ご贔屓の池上永一の最新刊で、沖縄八重山諸島の一つ一つを舞台とした短編集とあらば、読まないという選択肢はない。池上永一のぶっ飛びすぎたユーモア・疾走感・個性的で過剰なキャラクター造形といったものは、抑え目だけど、各島の特徴をよく押さえてよくできているし、やっぱり、面白い。本当に力のある作家だと思う。石垣を舞台にした「バガージマヌパナス」「風車祭」、沖縄本島を舞台にした「テンペスト」も、面白いし、故郷沖縄(石垣島出身)に関係しない近未来物「シャングリラ」も大傑作である。それにしても、本著を読んで、池上永一は、沖縄を、陳腐な言葉ではあるが、欠点を含め本当に愛している人なのだと改めて思った(ついでに沖縄のことを本当によく勉強している)。もともと自分が沖縄贔屓であることを差し引いても、現代エンタ作家の中では、自分の中では、ダントツNO1である。
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読書ステータス
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