
みんなの評価
3.6
5
4
3
2
1
レビュー
過去の百田作品もそうであったように、今回も従来とは異なるジャンルを突き詰め、徹底した世界観で描かれている。男性である自分には縁遠い「美」に拘る女性心理(コンプレックス?)を軸にしているだけに理解し難い部分もあったが、美容整形に関する件などでリアリティを感じさせるだけに、全体を通じての説得力はあった。
…成程、「美」を追求すると色々あるもんなんだぁ。。。目の間隔比や完璧すぎる「美」よりはゆらぎによる魅力とか。。。。
それにしても主人公である和子の執着・探究はタイトルになるぐらいだからスゴイの一言。
醜い顔での少女時代に受けた体験がそうさせたのだろうが、「美」へのキッカケを掴むと、それに伴ってどんどんと自信もつけていく。整形もある意味で化粧と同じ感覚なんだろうが、この主人公の場合は過去の体験が酷いだけに、自分の変貌と他人から受ける対応の変化にハマり、それを繰り返していく。一種の中毒状態のように…
とは言え、理由や経緯はどうあっても、輝く女性になって心が満たされるのであれば、醜いままで悶々と人生を過ごすよりは精神衛生的にも健全ではないだろうか。ましてや、この主人公はその為の犠牲を払い努力も惜しまずにやっているのだから。
そう考えると「整形」そのものに対する抵抗感は以前よりも薄れたのかもしれない。。。
ただ、この物語はそんな健全な精神で幸せを手にするようなおとぎ話にはなっていない。
「美」を手にしただけでは心が満たされず、過去の恋心に捕らわれてしまう。「美」を手にした自分なら「男」も手に入れるだろうと…
その心理や行為も含めて『モンスター』なのだろうが、最後の最後に美帆ではなく、和子として幕引きが用意されていたのが本作のせめてもの救いって感じかと。。。
…成程、「美」を追求すると色々あるもんなんだぁ。。。目の間隔比や完璧すぎる「美」よりはゆらぎによる魅力とか。。。。
それにしても主人公である和子の執着・探究はタイトルになるぐらいだからスゴイの一言。
醜い顔での少女時代に受けた体験がそうさせたのだろうが、「美」へのキッカケを掴むと、それに伴ってどんどんと自信もつけていく。整形もある意味で化粧と同じ感覚なんだろうが、この主人公の場合は過去の体験が酷いだけに、自分の変貌と他人から受ける対応の変化にハマり、それを繰り返していく。一種の中毒状態のように…
とは言え、理由や経緯はどうあっても、輝く女性になって心が満たされるのであれば、醜いままで悶々と人生を過ごすよりは精神衛生的にも健全ではないだろうか。ましてや、この主人公はその為の犠牲を払い努力も惜しまずにやっているのだから。
そう考えると「整形」そのものに対する抵抗感は以前よりも薄れたのかもしれない。。。
ただ、この物語はそんな健全な精神で幸せを手にするようなおとぎ話にはなっていない。
「美」を手にしただけでは心が満たされず、過去の恋心に捕らわれてしまう。「美」を手にした自分なら「男」も手に入れるだろうと…
その心理や行為も含めて『モンスター』なのだろうが、最後の最後に美帆ではなく、和子として幕引きが用意されていたのが本作のせめてもの救いって感じかと。。。
読書ステータス
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