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ROMES06 (徳間文庫)

ROMES06 (徳間文庫)

五條 瑛

4
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1件のレビュー

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レビュー

mak246
mak246
2011年1月読了
架空の人工島、西日本国際空港を舞台に世界最先端施設警備システム「ROMES」を操る成島と、過去の悲しみを抱えたテロ組織チームとが頭脳戦を繰り広げていく。ハラハラ感や息の詰まるような展開はないが、不特定多数が自由に出入りしつつも閉鎖的な人工島の空港を逆手に攻めるテロ組織と、まだその全能力をフルには活かせない「ROMES」を如何に駆使して空港の安全を確保していくのかといった成島の手腕との凌ぎあいが本作の魅力の1つだろう。

ストーリーの展開や頭脳戦も然ることながら、犯人側も空港側の人物もそれぞれのキャラがしっかりと裏付けされているので飽きさせることなく読ませる作品になっていたように思う。特に成島は筋金入りのエリートで最新の警備システムROMESを熟知するたった一人の存在でありながらも、自由奔放に愛犬と遊び、上司などにも飄々と立ち向かうキャラクター性、そして「ROMES」のみを信じる一貫した姿勢はなかなか面白かった。

…等々、興味深く読むことはできたのだが、読み進む内に自ずとテロ組織の主要メンバーが判明していく構成になってるだけに、どこかにミステリーとしての仕掛けが隠されてるんだろうと深読みしながら読み進んでも、その期待感を満たすことなく終わったのが少々残念かと。。
それと、ストーリーの構成上「ROMES」の機能を徐々に紹介をしていくしかないにしろ、読み終えて振り返ると「ROMES」のデモンストレーション用の物語だったように感じてしまったのも事実だ。。。
何しろここぞって時に反則技のような機能が披露されてくんだから。。。特に「06」なんて。

続編もあるみたいなので、今回はキャラクターと「ROMES」紹介のプロローグと捉えて次作へ期待しよう。
少なくとも基本設定や人物描写、そして文章は間違いなく面白かったので!

読書ステータス

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