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マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

冲方 丁

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机龍之介
机龍之介
2011年8月読了
「我々が生きていること自体が偶然なんだ。そんなこと、ちっとも不思議じゃないじゃないか? 偶然とは、神が人間に与えた中で、最も本質的なものだ。そして我々は、その偶然の中から、自分の根拠を見つける変な生き物だ。必然というやつを」

 バロットもウフコックもボイルドも誰も彼もが自分の存在証明として自分の有用性を開示しつづけることが義務付けられた物語。有用性の定義や証明の仕方がバラバラだから、それぞれがぶつかり合うことになる。考え方の違いを生み出したのはちょっとした環境の違いだったりして、現実世界の縮図とそこら辺は大差ない。最後は自分の有用性をウフコックに対して、証明することができたバロット。しかもボイルドにも証明したってことなんだろう。これでバロットとウフコックは対等になれたのかな? だからこそ、とてもロマンチックな結末だったといえる。

読書ステータス

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