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山本周五郎長篇小説全集 第十二巻 ながい坂(下)

山本周五郎長篇小説全集 第十二巻 ながい坂(下)

山本 周五郎

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レビュー

Yoo
Yoo
2018年5月読了
上巻では魅力的だった妻のつるが、読者サービスの道具になってしまっているのは、頂けない。御新政と称して殿を下屋敷に押し込め、代わりに木偶の兄を身代わりに立てた敵方との対決は、ちょっとあっさり行き過ぎて、物足りない。もう少し、主人公の主水正が活躍しても良かったのではないか。主人公は最後には城代家老にまで上り詰めるのだが、元々才能があったのではなく、努力し、迷いながら坂道を登って行く。潔癖で面白みに欠け、非人情だが、周りの登場人物がそれを補っている。特に藩士仲間の大五と、森番の大造が魅力的である。

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