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ダンシング・ヴァニティ

ダンシング・ヴァニティ

筒井 康隆

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レビュー

aoitaku
aoitaku
2008年7月読了
 同じフレーズ、同じシーンを繰り返し描写する、描出する、演出する、そうしながら、音楽的に、物語は展開される。ときとして時系列が無茶苦茶だったり、現実を超越した理がまかり通っていたりしますが、その飛躍が、また痛快だったりします。ユーモラスな書き筋。これぞ筒井節、ですね。
 さて、この実験的な構成の妙が、もちろんこの作品の魅力だと思うんですけど、意味もなくそういう構成を取るわけは、ありません。
 そういうわけだから、たとい理解を拒むような超展開が続こうと、それはそういうものだと思って読むがよろしいかと。
 多くは語りませんが、★を五つつけたということは、ぼくがこの結末に満足してるから。読中の狂騒的な痛快さ、それから読後のなんともいえない虚無感は、なるほどダンシング・ヴァニティでした。ごちそうさま。

 ところで、作中に出てきた目玉ちゃんというのは、これは、マンガ的……いや、今風に言うならアニメ的、いや、今風というとゲーム的、ラノベ的、価値観の多様化を鑑みれば二次元的、というべきか、ともかく、そういう二次元的キャラクター性の象徴なのでは。とすれば、作中で三次元的交渉が発生しなかったのも、何となく頷けるというもの。
 もしかしてこれがビアンカ・オーバースタディへのフックなのかしら。そろそろ発売ですね。楽しみ楽しみ。

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