レビュー

zooko012
2012年9月読了
棋士であり将棋記者である老師・河口俊彦による棋界エッセイである。羽生のデビューから7冠をとる前夜までが描写される。羽生・佐藤・村山・森内らの羽生チルドレンのデビューは衝撃をもって受け止められつつも、この時点では、「終盤が異常に強い単なる技術屋集団」「将棋界の伝統を打ち壊すには至っておらず、その兆しもない」との表層的な受け止めしかなされず、淡々としながら将棋を根本からひっくり返すに至った羽生らの恐ろしさが全く理解されていなかった様子がよくわかる。関口夏央の解説はひどい。