この本について
欲望は、すべて水に還る。少年たちの愛の行方と血のいとなみ。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語を描いた表題作と、死にゆく者と育ってゆく者が織りなす太古からの日々の営みを丁寧に描いた「第三紀層の魚」を収録。第146回(平成23年度下半期)芥川賞受賞作。
みんなの評価
2.8
5
4
3
2
1
レビュー
zooko012
2012年2月読了
面白い。芥川賞は当然である。父子、暴力、性、地方。過激といえば過激、陳腐といえば陳腐な題材の一種の青春物である。中上健次を思わせるが、熱やリズムのある中上に比し、著者の文章は抑制きき、クール。情景描写の連なりが全体として熱を帯びる。久しぶりに面白い小説を読んだと思った。
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