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時生

時生

東野 圭吾

3.7
101人が登録
5件のレビュー

この本について

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

みんなの評価

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レビュー

ショコラ
ショコラ
2011年7月読了
読み終わると一ページ目に戻りたくなる本。
nanaco
nanaco
2012年1月読了
ものすごい読みやすかった。病気の少年が過去にタイムスリップして父親と過ごす。父親はどうしようもない人間だが、次第に成長。「君が生き残ると思えば、今この瞬間でも僕は未来を感じることができるから」
たかし
たかし
2013年1月読了
なんかわからないけど懐かしい気持ちになるのはなぜなんだろ?オヤジと息子の思いが伝わる小説だった。
あおみ
あおみ
2014年7月読了
未来の我が子が父の元を訪れ、暴力的で自らの生い立ちを憎むことでしか生きられなかった父を、正しい道に向くように苦楽をともにする物語。
現実世界ではあり得ない話だが、小説世界ではよくある話だ。
このSF設定を東野圭吾 氏はどうアレンジし、どんな結末を用意するのか、と期待して手に取ったが、とても傑作とはいえなかった。
大きな感動はないし、所々辻褄があっているのか疑問を抱いてしまう点もあった。
時生の父である拓実はたしかに昔は、納得のいかないことに対しては暴力で解決して、面倒だと感じることからは逃げ出し、いつかは大きなことを成し遂げられると過信して努力しないどうしようもない男だった。それ故に当時の彼女からは振られる羽目になった。
しかし、未来というべきかいまというべきか、どちらにしろ彼は時生を息子にもつ立派な父親となっている。
その父の過去を正そうと時生はタイムスリップしたのだが、結果的に拓実はきちんのした父親になれているのだから、過去に戻る必要はあったのか。
過去は変えられない、と時生は言っていたが、では時生の母であり拓実の妻である麗子が生きているのも、そもそも拓実が改心したのも時生が過去を変えたからなのか。こういった点の答えがあやふやとなっていて、判然としない。
しかし、もし上記のことをその通りだと仮定するならば、そんな人物のことを忘れるだろうか。それはタイムスリップしてきた人物だからと言うのならば、ではなぜ思い出すことはできるのか、という問いを返したい。
過去は変えられないのか過去は変えられるのかよくわからなかった。
それに時生は未来できいた父親からの思い出話から次に取るべき行動のヒントを得ていたが、拓実は昔の彼女を取り戻すという壮大な冒険譚を息子に話さなかったのか。そもそもこうした冒険が訪れたのも時生がいたからなのか。時生がいなかったから昔の彼女が去った理由に拘ることはなかったのか。いや、自分の納得のいかないことに対しては苛立ちと憤りを感じ易い拓実ならば、時生がいなかったとしても暴力で解決しようとしただろう。

時生がいたから訪れた未来や変化した過去。
時生がいなかったから用意された未来。
こうした点についての解説が足りず、過去から訪れたという設定があまり生きていないように感じた。残念だ。
Masa
Masa
2016年5月読了
過去への振り返り

読書ステータス

読書中 1人
読了 88人
読みたい 9人