この本について
ゲーム制作会社で働く汐路は、同僚がビルから転落死する瞬間を目撃する。衝撃を受ける彼女に、故郷・早瀬で暮らす姉から電話が入る。故郷の中学で女学生が同級生を猟銃で射殺するという事件が起きたのだ。汐路は同僚と女学生が同一のキャラクターグッズを身に着けていたことに気づき、故郷に戻って事件の調査を始めるのだが...。現代社会の「歪み」を描き切った衝撃のミステリ!第二十一回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
みんなの評価
3.5
5
4
3
2
1
レビュー
第21回横溝正史ミステリ大賞作品。もちろん初めて読む作家だったけど、自身が身を置くゲーム業界のエピソードに始まって閉鎖的な片田舎やインターネット社会、そして都市伝説(ホラー?)、建築、家相と盛りだくさんな要素が詰まったミステリーで興味深く読むことができた。
「歪み」をテーマにするだけあって、人間、社会、家族、そして家に至るまで一貫してそのテーマが踏襲されていてるし、ミステリー的にも最後に意外な展開が用意されていたりで、全体的にはまずまずな作品ではないだろうか。。
…とは言え、意味のないエピソードが多すぎるのは気になった。
ゲーム制作に於ける過程などは確かに自分の知らない業界の背景だけに面白かったけど、関わる2つのゲームと事件との絡みは一切ない割には随分と深堀した内容になっている。読んでる最中は思わず照明効果とかのギミックが謎解きに関わるのかと思ったけど、出てきたのはゲームでの音の効果に対する裏付けだけだった。唯一の効果としては、早瀬に帰省した後の世界観とのギャップくらいだろうか。。
その他にも意味不明な伏線が幾つかあったけど、最後の最後に出てくる明奈と神保の展開は全くもって分からない。早瀬のみ過でごしてきた人間として、土地のしきたりに頑なになるのは理解できるが、逆にたった3週間程度にその考えをあっさり拭って何の伏線も背景もない神保とくっつくエピソードに何の意味があったのだろうか??単に、人がそこまで変わる出来事だったって事が言いたいのか…
等々、本筋に関わらない蛇足的な部分が多くて粗々しさが残ったのも否めない。。蛇足部分にページ数を使うくらいならアニメのキャラクター等の伏線を解消してほしかった…
まぁ、全体的な構成は良かったのだから次作に期待の持てる作家であることは確かだ。どーせなら得意なゲーム業界を絡めた作品なんかだと面白いんじゃないかと。。。
「歪み」をテーマにするだけあって、人間、社会、家族、そして家に至るまで一貫してそのテーマが踏襲されていてるし、ミステリー的にも最後に意外な展開が用意されていたりで、全体的にはまずまずな作品ではないだろうか。。
…とは言え、意味のないエピソードが多すぎるのは気になった。
ゲーム制作に於ける過程などは確かに自分の知らない業界の背景だけに面白かったけど、関わる2つのゲームと事件との絡みは一切ない割には随分と深堀した内容になっている。読んでる最中は思わず照明効果とかのギミックが謎解きに関わるのかと思ったけど、出てきたのはゲームでの音の効果に対する裏付けだけだった。唯一の効果としては、早瀬に帰省した後の世界観とのギャップくらいだろうか。。
その他にも意味不明な伏線が幾つかあったけど、最後の最後に出てくる明奈と神保の展開は全くもって分からない。早瀬のみ過でごしてきた人間として、土地のしきたりに頑なになるのは理解できるが、逆にたった3週間程度にその考えをあっさり拭って何の伏線も背景もない神保とくっつくエピソードに何の意味があったのだろうか??単に、人がそこまで変わる出来事だったって事が言いたいのか…
等々、本筋に関わらない蛇足的な部分が多くて粗々しさが残ったのも否めない。。蛇足部分にページ数を使うくらいならアニメのキャラクター等の伏線を解消してほしかった…
まぁ、全体的な構成は良かったのだから次作に期待の持てる作家であることは確かだ。どーせなら得意なゲーム業界を絡めた作品なんかだと面白いんじゃないかと。。。
読書ステータス
読了
8人