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檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)

檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)

豊島 ミホ

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この本について

保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京―。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2008年6月読了
特別目立つ事もない、普通の、どこにでもいるような名もなき高校生たちと、彼らを取り巻く普通の大人たちが主人公の連作小説なのですが。
やー思いがけず泣きました。
恋も人間関係も進路も別れも全部、不器用でぎこちなくて上手くいかないことばっかりなのに、なぜか登場人物みんなが輝かしく見えてくる。
人生って、特に10代の頃って、痛すぎる思い出や恥ずかしくて死にたくなるような瞬間の積み重ねだけれど、その中にひとつでもキラっと光る何かを掴めたら、何かを感じられたら、それはそれでかけがえのない日々になっていくんだろうなって思いました。
制服のころ、バカバカしくも真剣に悩んでた自分を懐かしく思いました。
私も、どこにでもいる、目立たない、名もなき高校生だったので。
 
そういえばこの中に、「生徒は分かってくれない」と嘆く先生の物語があるのだけれど、この先生の気持ちも少し分かりかけてきた自分に気づいてハッとしました。
いつまでも学生気分が抜けきれないけど、実はもうこの高校生たちを見守る周囲の大人たちと同じ立場なんだよな、自分。。。
くっそー、高校生がうらやましいぜっ

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