この本について
嘉永六年(一八五三)六月、ペリー率いる米艦隊が浦賀沖に出現。役人たちは周章狼狽する。やがて京の都はテロに震えだし、坂本龍馬も非業の死を遂げる。将軍慶喜は朝敵となり、江戸城は開城、戊辰戦争が起こる。新政府が樹立され、下野した西郷隆盛は西南戦争で城山の地に没す―。波乱に満ち溢れた二十五年間と歴史を動かした様々な男たちを、著者独自の切り口で、語り尽くす。
みんなの評価
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1
レビュー

zooko012
2016年6月読了
観劇に備え「るろうに剣心」一気読みから突如始まった「幕末祭」の一環。「攘夷」「薩長」だの改めて自分が幕末について無知なことを思い知り、手に取った本書。慶應大学で行った講義をまとめたものであるようだが、分かりやすくて、面白くて。一冊読んだあとの視界の開け具合といい、知識的なコストパフォーマンスが素晴らしい。ひたすら外国人嫌いの孝明天皇、考え方・態度を節操なくコロコロ変える慶喜にと、物語に出てくる役者(こういってはいけないのだが)のキャラ立ちにも過不足がない。個人的には、幕臣側で対極を見据え開城する勝海舟がカッコいい、と思った。幕末についてはもう少し読み進めていこうと思う。