レビュー

zooko012
2014年8月読了
「アンタを殺したいけど、殺したらこの子にアンタの落語を聞かせることができない」etc。山場での台詞がピタリピタリと決まるところが本書の魅力。小夏の子の父に対し、大工調べのごとくまくし立て「何があってもおいらの子だ」との与太の切る「啖呵」の場面が本巻のクライマックスか。八雲・小夏の間に生まれつつある情愛、父・助六の面影を重ねていた与太に自分の落語を求める小夏にしんみり。本巻で登場するアンツルっぽい立ち位置の旦さんのキャラクターもよい。「居残り佐平次」で与太が自分の落語と向き合うことになる次巻が楽しみ(確かに居残りのいのどんは与太にぴったり)。
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