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恋歌 (講談社文庫)

恋歌 (講談社文庫)

朝井 まかて

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レビュー

zooko012
zooko012 2015年11月読了
歴史に翻弄された明治の歌人中島歌子の激動の一生を描いた評伝小説である。題材はいい。構成も単純ではない。世評もよい。直木賞までとっている。でも、文体といい内容といい、表層的との思いを拭いきれない。たとえば、同じような題材を扱った宮尾登美子の評伝小説とは、その密度・濃さについて、幼子とプロほどの違いがあるように思う。これがホントに直木賞なのか。。。(とはいえ、直木賞と自分の相性は極めて悪い)
yuchan
前半は幕末の江戸で商家の娘として育ったおしゃまな歌子が、厳格だが愛情あふれる母、いつも味方の爺やに囲まれほのぼのとした娘時代を過ごしていて、一途な恋を成就させ、水戸の藩士に嫁ぐ話だった。後半は、尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士の夫が内乱が勃発するとどこに行ったのかわからなくなり、妻子も逆賊として投獄されてしまう。極限の中で淡々と日々を過ごし凛として死んでいく女性、なりふり構わず生き抜いていく女性に目が離せなかった。時折、挿まれる短歌に身につまされた。
君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ

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