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細木数子 魔女の履歴書 (講談社+アルファ文庫 G 33-12)

細木数子 魔女の履歴書 (講談社+アルファ文庫 G 33-12)

溝口 敦

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2008年8月読了
悪意vs悪意。
  
何年か前、書店でアルバイトをしていたことがあるのです。ちょうど細木数子が大ブームのころで、おばさま方にそれこそ毎日のように細木数子の書籍についての問い合わせを受け、カレンダーの予約の伝票を切りまくり、六星占術の表の見方や割り出し方まで質問されて(わたし医学書担当だったのに!)まるで仕事にならなくて、「くっそぉ~細木数子め!!」とみんなで臍を噛んでいた日々を思い出しました。
そんな苦い思い出が頭のすみっこに残っていたのか、ふと目に付いて立ち読み始めたら止まらなくて購入。
負の感情だけがのこった本でした。もちろん、著者にとっては細木数子の悪=正体を暴くのが最大の目的であるわけだから、この感想はきっと褒め言葉なのだろうけれど。
ここに書かれていることが真実か否かを論ずるのはむずかしい。
でも、著者の「悪意」というバイアスがかかりまくった「稀代の悪女」の物語として読むと・・・認めたくないけどけっこう面白かった。嫌悪感を抱くと同時に目が離せなかった。
女の武器を熟知してて、老練でしたたかで、悪意に満ちていて・・・やっぱ時代の寵児なのか?ああ・・褒めたくないのに!!
でもなんだか桐野夏生の小説に出てきそうだなと思いました。桐野さんがこんな小説を描くと、きっと傑作になりそな予感。
 
過去に溝口さんの著作も何冊か読んだことがあるのだけれど、個人的には溝口さんも「食えないおっさん」というイメージがあって。(ジャーナリストとしての腕は一流だけどね)
そんな食えないおっさんが、食えない毒婦(細木数子)を悪意いっぱいで描いたら当然こんな猛毒が発生しました。という感じの本でした。

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