この本について
禅宗の最大宗派である敬千宗の大本山・長穏寺。修行が厳しいことで知られるこの寺に、二人の若き僧侶が上山した。北陸の古寺の跡取りとして真摯に禅宗と向き合う小平広也。バンドでプロを目指すも挫折し、「安定した就職先」として寺に飛び込んだ水原隆春。対照的な二人は、修行の日々を通して、寺のさまざまな問題に直面する。世襲がはびこる旧弊なシステム、先輩僧侶たちのイジメ、清貧とはほど遠い生活、そして、本来人々を救うためにある宗教が最後の砦として機能していない事実...。宗教が持つ清濁に翻弄される二人が辿り着いた理想郷とは?映画化、コミック化された『ひゃくはち』で衝撃デビューの著者が放つ、まったく新しい青春小説。
読書ステータス
読了
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