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帝国主義 (岩波文庫 白 134-1)

帝国主義 (岩波文庫 白 134-1)

レーニン

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レビュー

H. Tarkun
H. Tarkun 2011年12月読了
資本主義は、生産の独占、銀行による資本の独占を経て、帝国主義へ移行することが必然であり、資本主義の微修正などという生ぬるい方法では解決し得ないというレーニンの主張が、具体的な数値を示しながら述べられている。

本書は第一次大戦後に書かれたものであるが、その後第二次世界大戦の発生はレーニンの主張が一定の正統性を持っていたと認識される。しかしながら、東西冷戦の終結による西側の「勝利」は、再び資本主義を優位にし、レーニンの言う、プロレタリアート上層が、中間層として圧倒的多数を占め、便利で快適な生活を享受している。

ところが、日本のバブル崩壊後の長期低迷、欧米の金融膨張の破裂、中東の不安定かなどを見るにつけ、資本主義の勝利はまだ確定でなく、長い歴史の中の瞬間的なノイズのようなのかもしれないと思わせる。

幸い、本書執筆当時のような帝国主義的な動きはそれほど顕在化していない。しかし、反格差デモなど、当時との相似形の動きも見受けられる。

本書は単なる過去の記録と捉えるのはまだ早すぎるのかもしれない。

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