
書籍情報
- 著者:
- 紀貫之, 小沢正夫, 松田成穂
- ISBN:
- 4096580112
- 登録日:
- 2025/10/21
- 更新日:
- 2025/10/21
- 所有者:
-
餼羊軒さん
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読書履歴
2025/10/21
31ページ
2025/10/21
26ページ
p26 編輯当時の近世歌人に対する仮名序の評はかなり是れ辛辣ならむよ。
2025/10/21
30ページ
p30 人麻呂亡くなりたれど、歌のこと留まれるかな。たとひ、時移り、事去り、楽しび悲しび行き交うとも、この歌の文字あるをや。青柳の糸絶えず、松の葉の散り失せずして、まさきの葛長く伝はり、鳥の跡久しく留まらば、歌のさまを知り、事の心を得たらむ人は、大空の月を見るがごとくに、古をあふぎて、今を恋ざらめかも。
2025/10/21
17ページ
p17 やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。
2025/10/21
22ページ
p22 頭注:仮名序の歌論にては、政教に役立たぬ歌は無駄なりとて、上辺許りの華美の追求や、中身の乏しき歌を誡めたりき。