📝 レビュー (諸書劄記さんのレビュー)
評価:
5/5
レビュー:
『論語』を読む者、孔夫子の『詩経』推しに遇はざる無し。
「曰く、詩を学びたるか、と。対へて曰く、未だし、と。詩を学ばずんば、以て言ふ無し、と」
ここに夫子の熱意に負けて読まむとする次第ぞ。
伝統的なる箋註への目配せある本書の感想としては、純朴なる民謡に後人が教訓を牽強附会せむとする姿が見え隠れする。近人の詩経を解するや訓育の意を排せむとする心情も首肯できる。
「曰く、詩を学びたるか、と。対へて曰く、未だし、と。詩を学ばずんば、以て言ふ無し、と」
ここに夫子の熱意に負けて読まむとする次第ぞ。
伝統的なる箋註への目配せある本書の感想としては、純朴なる民謡に後人が教訓を牽強附会せむとする姿が見え隠れする。近人の詩経を解するや訓育の意を排せむとする心情も首肯できる。
読書履歴
2026/02/10
175ページ
p175 (乱世に処して昏主の暴政を責を負へる忠臣の慨歎ぞ)
出自北門、憂心殷殷。
終窶且貧、莫知我艱。
已焉哉、天實為之、謂之何哉。
王事適我、政事一埤益我。
我入自外、室人交徧讁我。
已焉哉、天實為之、謂之何哉。
王事敦我、政事一埤遺我。
我入自外、室人交徧摧我。
已焉哉、天實為之、謂之何哉。
2025/11/09
172ページ
2025/11/09
166ページ
p162 (宗廟の庭上に舞ふ人を讃ふる詩。舞に文武の別あり、総称して万舞と称ぶ。武舞には干たて と戚まさかり とを手に持ち、文舞には羽と籥とを持ちて舞ふとぞ。)
簡兮簡兮、方將萬舞。
日之方中、在前上處。
碩人俁俁、公庭萬舞。
有力如虎、執轡如組。
左手執籥、右手秉翟。
赫如渥赭、公言錫爵。
山有榛、隰有苓。
云誰之思、西方美人。
彼美人兮、西方之人兮。
2025/11/09
161ページ
2025/11/08
157ページ
2025/11/05
155ページ
p155 (棄婦怨詩)
習習谷風、以陰以雨。
黽勉同心、不宜有怒。
采葑采菲、無以下體。
德音莫違、及爾同死。
行道遲遲、中心有違。
不遠伊邇、薄送我畿。
誰謂荼苦、其甘如薺。
宴爾新昏、如兄如弟。
涇以渭濁、湜湜其沚。
宴爾新昏、不我屑以。
毋逝我梁、毋發我笱。
我躬不閱、遑恤我後。
就其深矣、方之舟之。
就其淺矣、泳之游之。
何有何亡、黽勉求之。
凡民有喪、匍匐救之。
不我能慉、反以我為讎。
既阻我德、賈用不售。
昔育恐育鞫、及爾顛覆。
既生既育、比予于毒。
我有旨蓄、亦以御冬。
宴爾新昏、以我御窮。
有洸有潰、既詒我肄。
不念昔者、伊余來塈。
2025/11/05
148ページ
2025/11/04
144ページ
p144 (行役中の夫を案ずる妻の詩。論語伝へらく子路此詩最終句を終身愛誦しけりと)
雄雉于飛、泄泄其羽。
我之懷矣、自詒伊阻。
雄雉于飛、下上其音。
展矣君子、實勞我心。
瞻彼日月、悠悠我思。
道之云遠、曷云能來。
百爾君子、不知德行。
不忮不求、何用不臧。
2025/11/04
140ページ
p140 (孝子親母の再嫁の誘惑に駆らるるに親を慕ふの余り自らを責め、之を以て婉詞幾諫する詩。後世孝子の親を慕ふ情を述べたる詩と解せり)
凱風自南、吹彼棘心。
棘心夭夭、母氏劬勞。
凱風自南、吹彼棘薪。
母氏聖善、我無令人。
爰有寒泉、在浚之下。
有子七人、母氏勞苦。
睍睆黃鳥、載好其音。
有子七人、莫慰母心。
2025/11/01
135ページ
2025/10/31
130ページ
2025/10/31
126ページ
p125 「夫れ天は人の始めなり。父母は人の本なり。人窮するときは則ち本に反る。故に労苦困窮するときは、未だ嘗て天を呼ばずんばあらず。疾痛惨怛するときは、未だ嘗て父母を呼ばずんばあらず」『史記』「屈原伝」
2025/10/31
122ページ
p118-122 (衛国荘公は陳国第二夫人の妹戴嬀を娶りき。其子桓公、先君と婢女との子州吁に弑せらるれば、戴嬀国許に帰るに、先君夫人荘姜之を見送る詩) 燕燕于飛、差池其羽。 之子于歸、遠送于野。 瞻望弗及、泣涕如雨。 燕燕于飛、頡之頏之。 之子于歸、遠于將之。 瞻望弗及、佇立以泣。 燕燕于飛、下上其音。 之子于歸、遠送于南。 瞻望弗及、實勞我心。 仲氏任只、其心塞淵。 終溫且惠、淑慎其身。 先君之思、以勗寡人。p122 『周禮』「大司徒」“六行”について記述あり。
2025/10/30
115ページ
2025/10/28
112ページ
p106 邶風以下変風に当たり衰乱の世の民謡にして悲愁・苦難・哀怨を歌へり。
p107-110 (夫に恵まれざる夫人の己が身を嘆く詩)
汎彼柏舟、亦汎其流。
耿耿不寐、如有隱憂。
微我無酒、以敖以遊。
我心匪鑒、不可以茹。
亦有兄弟、不可以據。
薄言往愬、逢彼之怒。
我心匪石、不可轉也。
我心匪席、不可卷也。
威儀棣棣、不可選也。
憂心悄悄、慍于群小。
覯閔既多、受侮不少。
靜言思之、寤辟有摽。
日居月諸、胡迭而微。
心之憂矣、如匪澣衣。
靜言思之、不能奮飛。
2025/10/26
102ページ
p101-102 毛伝は騶虞を生物を喰はぬ義獣とす。周国君至徳なれば現ると。 彼茁者葭、壹發五豝。 于嗟乎騶虞。 彼茁者蓬、壹發五豵。 于嗟乎騶虞。 p102 周南・召南の后妃を詠める關雎/鵲巢より始まるは、いづれも天下の治は家を正すを先となすとし、后妃夫人の有徳なれば、其化は朝廷に庶人に及べるを称へたるの意ありと。
2025/10/26
98ページ
p98 (東周平王公主斉襄王に嫁ぐを祝へる詩。尚翌年其姫卒し、襄王無知の乱にて弑逆せられき)
何彼襛矣、唐棣之華。
曷不肅雝、王姬之車。
何彼襛矣、華如桃李。
平王之孫、齊侯之子。
其釣維何、維絲伊緡。
齊侯之子、平王之孫。
2025/10/25
95ページ
2025/10/23
92ページ
p92 (唐土封建時代嫡妻嫁ぐに一族より姪妹を附き人として従はしめしに、主婦媵妾を連れて行かず。其媵妾己が境涯を怨みず、嫡妻の後に後悔せむことを冀ふ詩) 江有汜、之子歸、不我以。 不我以、其後也悔。 江有渚、之子歸、不我與。 不我與、其後也處。 江有沱、之子歸、不我過。 不我過、其嘯也歌。
2025/10/22
90ページ
p90 (幽けき小星と己を卑下する妾の君に進御するに、高貴の身分の婦人を冀ひ望みて己を怨みず、己が分際に安くせる詩)嘒彼小星、三五在東。
肅肅宵征、夙夜在公、寔命不同。
嘒彼小星、維參與昴。
肅肅宵征、抱衾與裯、寔命不猶。
2025/10/21
88ページ
p85 往古漢土にて梅は花を賞せず、ただ実をのみ是を詠じきとぞ。天朝梅花を愛でしと対照的なり。
2025/10/21
85ページ
p85 (公役の途にある夫を妻案ずる詩)殷其靁、在南山之陽。
何斯違斯、莫敢或遑。
振振君子、歸哉歸哉。
殷其靁、在南山之側。
何斯違斯、莫敢遑息。
振振君子、歸哉歸哉。
殷其靁、在南山之下。
何斯違斯、莫或遑處。
振振君子、歸哉歸哉。
2025/10/20
82ページ
p82 (官吏業を終へて夕餉のため従容として帰宅する泰平の光景の詩)羔羊之皮、素絲五紽。
退食自公、委蛇委蛇。
羔羊之革、素絲五緎。
委蛇委蛇、自公退食。
羔羊之縫、素絲五總。
委蛇委蛇、退食自公。
2025/10/19
80ページ
p76-77 (非礼なる男に抗ひて婚姻を拒む凜たる婦女の詩)厭浥行露、豈不夙夜、謂行多露。 誰謂雀無角、何以穿我屋。 誰謂女無家、何以速我獄。 雖速我獄、室家不足。 誰謂鼠無牙、何以穿我墉。 誰謂女無家、何以速我訟。 雖速我訟、亦不女從。
2025/10/18
76ページ
2025/10/18
73ページ
2025/10/17
71ページ
2025/10/15
70ページ
p70 (出征したる夫の身を案ずる妻の詩)喓喓草蟲、趯趯阜螽 未見君子、憂心忡忡。 亦既見止、亦既覯止、我心則降。
2025/10/14
68ページ
2025/10/13
65ページ
p62 文王領邦の周・召を分かちて周公旦と召公奭を封じき。是を以って周南・召南と称すと。周南は是れ后妃の徳を称へ、召南は諸侯の夫人の徳を称へけりとぞ。p62 (新婦の夫の家に嫁ぐ車列を祝ふ詩)維鵲有巢、維鳩居之。 之子于歸、百兩御之。維鵲有巢、維鳩方之。 之子于歸、百兩將之。維鵲有巢、維鳩盈之。 之子于歸、百兩成之。
2025/10/13
60ページ
p59 爾雅:草木疏に記せらく、麒麟王者至仁なれば出づ、と。麒麟の特徴記せり。p59-60 (周王族の徳あるを麒麟に譬へて称へたる詩)麟之趾、振振公子。于嗟麟兮。 麟之定、振振公姓。于嗟麟兮。 麟之角、振振公族。于嗟麟兮。p60 周南の詩には、文王の王化天下に及びしに、周人其聖徳を仰慕せし意ありとぞ。
2025/10/11
58ページ
p58 (殷の暴政の下、兵役に駆り出された夫を待つ妻の、周文王を待望する詩)遵彼汝墳、伐其條枚。
未見君子、惄如調飢。
遵彼汝墳、伐其條肄。
既見君子、不我遐棄。
魴魚赬尾、王室如燬 。
雖則如燬、父母孔邇 。
2025/10/10
55ページ
p52 弁当(かれいひ)p51 (高潔なる女に慕情を寄すれども近づき誘ひ得ぬ男の詩)南有喬木、不可休息。 漢有游女、不可求思。漢之廣矣、不可泳思。江之永矣、不可方思。
2025/10/10
51ページ
2025/10/09
49ページ
p47 (猛き武夫を称えたる詩)赳赳武夫、公侯干城。
2025/10/08
46ページ
2025/10/06
44ページ
p42 (子孫繁栄を祈念する詩)螽斯羽、詵詵兮。宜爾子孫、振振兮。
2025/10/05
42ページ
p42 近人は『詩経』を周室を寓せるものとする解釈を嫌うて、「国風」を蒼生の生活の詩と解する傾向にあるが、その篇名を「周南」「召南」などと周公・召公の名に掛けている点から見ても、文王らの徳を謳歌するものと解釈するのは、必ずしも不当なるまい。
2025/10/04
39ページ
p37 (出征したる夫の身を案ずる妻の詩)采采卷耳、不盈頃筐。
2025/10/03
36ページ
p34 (質素なる着物を厭はず倹約に努むる賢婦を称へたる詩)為絺為綌、服之無斁。
2025/10/03
30ページ
p28 (淑女を寝ても覚めても求むる君子の詩)窈窕淑女、寤寐求之。求之不得、寤寐思服。悠哉悠哉、輾轉反側。
諸書劄記
Lv.64
『論語』を読む者、孔夫子の『詩経』推しに遇はざる無し。
「曰く、詩を学びたるか、と。対へて曰く、未だし、と。詩を学ばずんば、以て言ふ無し、と」
ここに夫子の熱意に負けて読まむとする次第ぞ。
伝統的なる箋註への目配せある本書の感想としては、純朴なる民謡に後人が教訓を牽強附会せむとする姿が見え隠れする。近人の詩経を解するや訓育の意を排せむとする心情も首肯できる。