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エンドレス・ワルツ

エンドレス・ワルツ

稲葉 真弓

この本の所有者

1人が登録
215回参照
2008年8月6日に更新

書籍情報

ページ数:
149ページ
参照数:
215回
更新日:
2008/08/06

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📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
3/5
レビュー:
なしくずしの死。
阿部薫を聴きながら感想を書いています。ああ、アルコールがあれば言う事なしなのに!
天才サックス奏者・阿部薫と、妻で作家でポルノ女優の鈴木いづみの評伝。
といっても、いづみさんの独白だけで淡々と進行していく本で、著者名を隠して読んでいたらいづみさんの自伝かと勘違うほどの踏み込みっぷり。自意識の吐露。
なんか・・・「いやいや理解できない理解できない」と思いつつも、どうしよもなく惹きこまれて、心をわしづかみにされて、そして唐突に突き放されて終わって打ちのめされました。
阿部氏もいづみさんも壮絶な生き方をして壮絶に死んでゆくのだけれど、それはすべてお互いの愛ゆえだと思っていたのです。好きゆえに相手を苦しめてしまうんだわ!みたいな。。
でもそんな陳腐で甘い想像をしていた自分が恥ずかしくなるほど、二人の間には愛があって、憎しみがあって、意地があって、狂気があって、人間の持ちうる感情すべてをむき出しにして発酵させて向かい合っていたんだなぁと思いました。それはもう、当事者以外には踏み入れない世界で。
そんな世界のたった一端に触れただけなのに、もうだめ・・・となってしまいましたよ、凡人の私は。
正直こんなドラマチックな退廃にも憧れるけれど、それは外野から見てるゆえの憧れなんだよね。安全な場所から眺めてみるからこそのロマン。あぁ・・・。
 
「欠落もまた才能」と言うけれど、その唯一無二の才能の代償が、命を持ってしても埋められなかったこの欠落なのだとしたら、あまりにも・・・。
人間ってなんなんだろうか。悲しいな。

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