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理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

似鳥 鶏

この本の所有者

(4.0)
10人が登録
85回参照
2012年11月15日に更新

書籍情報

著者:
似鳥 鶏
ページ数:
252ページ
参照数:
85回
登録日:
2012/11/15
更新日:
2012/11/15

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内容紹介

某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。
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 青春ミステリといえば、真っ先に米澤穂信ですが、どうもこの路線の作品のようです。米澤穂信が好きなら、わりとオススメできる作品。
 話は学園ミステリらしく、怪談が題材です。というわけなので、この「理由あって冬に出る」、の「出る」とは、幽霊のことですわね。
 文化部が活動する芸術棟には幽霊が出るらしい。その謎を、放課後にわか探偵団が解き明かしていきます。
 ですが、これはホラーではなくミステリなので、「理由あって」の方こそが物語の本題です。そしてこれはホラーではなくミステリなので、まぁ、つまり「正体見たり」と。理由も正体もなるほど、と腑に落ちましたが、その後で、また、なるほど、と唸らされた、と。この作品のオチはやっぱり「理由あって冬に出る」だったわけです。どういう意味かは、読んでもらうこととして。

 お話の構成的には、ワトスン役の葉山視点で、ホームズ役の伊神さん(武術に通じてるところまでホームズかよ!)が推理をするというもの。伊神さんがすごくいい味出してます。ちょっと常識にかけるあたりもホームズっぽいですね。ウェイトレスが注文を取りに来たところで「結構です」の一言には思わず笑ってしまいました。
 あとは、犯人役と巻き込まれ役と、なのですが、さておき、女性陣がなかなかライトノベル的で好きです。なのでMVPいきますかね。
 秋野、高島先輩、と迷いましたが、やはり柳瀬さんでしょう。お見舞いのシーンはちょっとくらくらしました。このお話、シリーズ化されませんかねえ。
 秋野ちゃんは、終盤のあのシーンでちょっとやられました。高島先輩はお叱りの場面が好き。叱られたい。
 トリックは、面白かったですが、ちょっと二つ目の方、読めてしまいました。いや、具体的にどうするか、というところまでは分かりませんでしたから、ああなるほどそういうことか、ってところなのは間違いないんですが。
 あと三つ目のミスリードはすぐ気付きました。まぁ気付いたんで、オチの味わいがその分、深かったんですけど、あれ、多分分かっててやってるよなーと。

 評価に関しては、★4です。もう一つ何か欲しい!という感じ。余所でも★5ついてない理由がよく分かりました。巧いですし、文章も軽妙で好きです。でも何か物足りない。ですが、今後がすごく期待できそうです。

 個人的に。
 ライトノベルとミステリの両方に分類できそうですが、これはラノベ読みからは「恋愛分が中途半端」と評されそうです。が、それには異を唱えます。だってこれはミステリなんだもん。ヴァン・ダインの二十則です。というのもありますが、安易に恋愛に走らず、そうでない部分で青春の敗北感、苦さを表現してくれたところが、すごく好感が持てる、と。そういうことです。
 もちろん、柳瀬さんと葉山の飄々としたやり取りなんか結構好きですよ。鈍そうで鋭そうでやっぱり鈍い葉山がとてもコミカルで。

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