複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦
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タイトルの通りデザインと「複雑さ」とを主題に掲げた一冊。
複雑さは良いのだが、分かりにくいのはいけない。つまり、複雑なものと混乱しているものを区別しなければならない。
という冒頭の一文が著者の想いを端的に示しているように思えます。
「複雑さ」と一言で言っても色々ある訳で:
1.パイロットにとってのコックピットは「適切な複雑さ」
2.ローランドピアノの「ばかげた複雑さ」。録音の方法が全く以て直感的ではない。
3.「愉しい複雑さ」を提供するコーヒーメーカー
と言ったように、いいものとそうでないものが全て「複雑さ」ととらえられがちな昨今。それらは明確に区別しなくてはいけないと。
以下はメモ:
・要するに私は、製品が新しくなるたびに機能がどんどん追加されるという、「機能追加病」と名付けた伝染病を非難したのだった。
・「テスラーの複雑性保存則」。ユーザーに使いやすくすればするほど、デザイナーやエンジニアにとってより難しくなる
・誰もが簡単さを求めているが、焦点がずれている。簡単さは最終目標ではない。
・シグニファイア:ある種のインジゲータであり、物理的、社会的世界で我々が意味あるものとして解釈出来るシグナル。
・景観アーキテクトの意図を無視して「望みのライン(けもの道)」が作られる。
いずれにしてもこれからはもっともっと「複雑さ」と向き合わなくてはいけないんだなーと思いつつ読了。