レビュー

zooko012
2012年3月読了
「私から年齢を奪わないでください。働いて、ようやく手に入れたのですから」との印象的なフレーズ(「独り居の日記」)に誘われて読み始めた、アメリカの女流詩人メイ・サートンのエッセイである。内省的な珠玉の「独り居の日記」に先立つものである。著書は、45歳のときに、亡くなった両親から譲り受けた家具をおさめるために、森・小川に囲まれたアメリカの片田舎に田舎屋を購入した。自然に振り回されるも、花で咲き乱れる庭を作り上げ、個性的な隣人・ごく親しい友の訪れを楽しみにしつつ、創作に勤しむ十数年の日々・・・。何とも他に類がなく、深く豊穣な書物である。亡くなる82歳まで、背筋をピンと伸ばしてまっすぐに生きた著者のあり方には感銘を受ける。他のもの(「海辺の家」「回復のとき」)も読んでみようかな・・・。
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