この本について
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レビュー
久しぶりの伊坂作品であったが、流れるような展開と、会話のユニークさ、登場人物の魅力、どれもがより一層際立ち小説としての面白味を増していた。何と言っても、本作では猫が喋り、鼠も喋る。そして、クーパーという杉の木の化け物が登場する。ファンタジーと言われれば、そうなのだろうが、その表現には少し違和感があると思う。ファンタジーというよりは、「夢」というのが適当ではないか。誰もが一度は体験したであろう、夢の中での大冒険が本作、「夜の国のクーパー」ではないかとわたしは思う。
伊坂幸太郎が作り出す独特の世界観と語り口調でなければ、もしかしたら中弛みしてしまい、ラストまで楽しめたかどうか疑問である。
とにもかくにも本作では、「夢」のような世界を楽しむことができる。彼等が現実には存在しないことは理解している。だからこそ、夢で出会えればいいな、と期待して今日は寝よう。
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