レビュー

zooko012
2011年3月読了
「泣き虫しょったんの奇跡」は、「プロ編入試験」を「瀬川晶司側」からみたみたものであるが、本書はこれを「将棋界側」からみたものである。純粋に瀬川を応援する棋士、棋界での政治力アップのために試験を利用する棋士、既得権を守るため頑なにアマチュア参加を拒もうとする棋士。プロ編入試験は棋士の様々な思惑の産物であり、これを巡って棋界で一種の戦争が起きたことがよくわかる。ただ、本書からは、一服の清涼剤のように、瀬川が、皆が応援したくなるような、まっすぐないい人であるらしいこと、そして、将棋連盟の現会長である米長邦雄が実行力・影響力はあるが我が儘な変わりものであるらしいことが感じられる。その他、色々な棋士が実名で登場するので、この手のものが好きな人にはとても興味深い。
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