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ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録

ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録

佐藤 典雅

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レビュー

zooko012
zooko012 2013年12月読了
下世話な興味から本書を手にとったが、あまりに面白くて一気読み。9歳から35歳まで「エホバの証人」のガチガチの信者だった著者の半生記である。著者は、母親が入信したことをきっかけに、十代~二十代の最も重要な時期を教団に身を捧げ、アメリカでの本部勤務歴もあったが、教団教義の矛盾に気づき悩み、脱会する。マルチ商法と教団の類似点や、教理の矛盾、信者に欝病患者が増えたり、信仰が家族不和の元となっている矛盾等に対する疑念が一気に爆発し、脳みそがよじれる幻覚をみて、洗脳が一気にとけ「覚醒」するシーンは印象的。著者は、「東京ガールスコレクション」等の仕掛け人でもあり、社会的地位のある人物であるが、実名で、自分の家族のことも含めて、赤裸々に、しかし、フラットに、本書を綴った真摯な勇気には敬意を表したい。やはり、本当に面白いノンフィクションというのは、書かれざるを得ないとのやむを得ない思いで書かれたものしかないと思う。

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