この本について
ある日、母が「男」になった。それが始まりだった。以来、シルビオの世界は少しずつゆがみはじめた。人に言えない悪癖にとりつかれ、他者と交わることもできなくなったシルビオ。そんなとき、背徳と情熱の町ナポリで男でもない女でもない、謎めいた大学教授に出会う。教授の出す奇妙な課題はさらに尋常ならざる世界へとシルビオをいざなう...。年老いた女装街娼や去勢された男性歌手、伝説の人魚や両性具有の神たちが織りなす哀しくも優しい異形の愛の物語。ランダムハウス講談社新人賞優秀賞受賞作。
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