
みんなの評価
3.3
5
4
3
2
1
レビュー
文庫本の帯からは異常事件を新聞記者の視点から追い掛け、それらの報道合戦が過熱した挙句に「虚報」に至ってしまうようなエンターテイメント小説をイメージして読み始めたものの、結果的には全く予想を裏切るような作品だった。
…とにかく予想に反して重い。
堂場作品でも汐灘サーガや棘の街のように重みを感じる作品はあったが、本作は作品自体のじめじめした雰囲気と共に、題材の中に自殺の是非についても触れられているだけに、その重みが増していた。。。
タイトルでもある「虚報」に至るまでの経緯は、新聞社内に於ける派閥争い等の内情や人間関係を含めて丁寧に描かれており、何故それが起きてしまったのかといった部分は非常に説得力のある内容になっている。ただ、タイトルに掲げている割にはメディアにとっての「虚報」の重大さや、世間への影響力といった部分について追及されていない点は若干物足りなさを感じてしまう。
また、もうひとつの大きな要素となっている「自死」についても、それぞれの立場や経験等の背景があって興味深く描かれているのに、それらの解決に関しては有耶無耶にしてしまったような感が否めない。。。
結果的に、要素を詰め込みすぎてしまった分、新聞業界をテーマにしたかったのか、長妻の苦悩を描きたかったのか、自死について問題提議したかったのかが曖昧になってしまったように感じられた。。。
…読者としての視点も定まらなかったコトもあって、題材の割には誰にも共感できず、総合的に消化不良だったってのが率直な感想かと。。。
…とにかく予想に反して重い。
堂場作品でも汐灘サーガや棘の街のように重みを感じる作品はあったが、本作は作品自体のじめじめした雰囲気と共に、題材の中に自殺の是非についても触れられているだけに、その重みが増していた。。。
タイトルでもある「虚報」に至るまでの経緯は、新聞社内に於ける派閥争い等の内情や人間関係を含めて丁寧に描かれており、何故それが起きてしまったのかといった部分は非常に説得力のある内容になっている。ただ、タイトルに掲げている割にはメディアにとっての「虚報」の重大さや、世間への影響力といった部分について追及されていない点は若干物足りなさを感じてしまう。
また、もうひとつの大きな要素となっている「自死」についても、それぞれの立場や経験等の背景があって興味深く描かれているのに、それらの解決に関しては有耶無耶にしてしまったような感が否めない。。。
結果的に、要素を詰め込みすぎてしまった分、新聞業界をテーマにしたかったのか、長妻の苦悩を描きたかったのか、自死について問題提議したかったのかが曖昧になってしまったように感じられた。。。
…読者としての視点も定まらなかったコトもあって、題材の割には誰にも共感できず、総合的に消化不良だったってのが率直な感想かと。。。

とある新聞記者の本社に上がってきた若手と、遊軍キャップの2人が、ある集団自殺事件の取材に奔走して行く話。
集団自殺を自殺サイトを開設し促していたとされるのが大学教授。そもそも大学教授は自殺ではなく自死と謳い、人間には自らしを選ぶ権利があると主張していた。
その教授の主張に正統性が適用されるか、また実際に自殺したものと接触していたのか等を、あの手この手で取材して行く様子が描かれている。
現場や担当部署との垣根の高さ、人間模様がリアル。
周囲に特ダネを続けざまに取られ、後追いになった2人。その2人が最後の最後で裏を取らずに報じたもの、それが実は真実ではなく、さらにはそれで一つの命を失わせてしまう、完全なる虚報。これは絶対にあってはならないこと。新聞社の威信、信頼全てを損失させるもの。
新聞記者は人の人生を左右しうるものである。
翔平すげーわ。
自殺者についての考え方が斬新だった。
集団自殺を自殺サイトを開設し促していたとされるのが大学教授。そもそも大学教授は自殺ではなく自死と謳い、人間には自らしを選ぶ権利があると主張していた。
その教授の主張に正統性が適用されるか、また実際に自殺したものと接触していたのか等を、あの手この手で取材して行く様子が描かれている。
現場や担当部署との垣根の高さ、人間模様がリアル。
周囲に特ダネを続けざまに取られ、後追いになった2人。その2人が最後の最後で裏を取らずに報じたもの、それが実は真実ではなく、さらにはそれで一つの命を失わせてしまう、完全なる虚報。これは絶対にあってはならないこと。新聞社の威信、信頼全てを損失させるもの。
新聞記者は人の人生を左右しうるものである。
翔平すげーわ。
自殺者についての考え方が斬新だった。
この本を読んでいる人(3人)
読書ステータス
読了
3人