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父として考える (生活人新書)

父として考える (生活人新書)

東 浩紀

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1件のレビュー

この本について

娘ができて初めて見えた日本社会の問題点とは?若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるか?育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、「子ども手当」など保育支援策を検討。ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の新たな可能性まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる白熱の討論。

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レビュー

kazemachiroman
kazemachiroman
2010年10月読了
東浩紀と宮台真司の対談本。タイトルに似合わずなかなかよかった。

宮台: 僕に言わせれば「お受験で成功すれば勝ち組」と思ってる時点で、育ちの悪い負け組みです。
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東: 一般に、単純で均質な都市空間は、他方バリアフリーであったりするわけです。それがやっかいなところです。
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東: なぜ家族連れが地方の商店街には行かず、ショッピングモールには行くのかというと、そこには子供がいても安全で楽しいからです。
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宮台: でも、だったら「頭のいいひとと仲良くなる力」や「喧嘩に強いひとと仲良くなる力」のほうがずっと重要です。

家族の安心・安全を考えると「ショッピングモール化」によるセキュリティやバリアフリー化が必然であるという東氏に対して、多少の不自由や商店街=近所づきあい的な「絆コスト」を支払ってでも「社会的な相互扶助を作り上げるしかない」という宮台氏の問題意識が目立った対立構造を持たないまま進展していくさまは知的にスリリングである。この先には、「エリート主義→ミメシスによる覚醒」と「民主主義2.0」というアプローチの違いに帰結していくんだと思うけど、そこはちょっと時間切れだったのかもしれない。

いずれにしてもアイロニカルなやりとりはとても興味深い内容。

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